EUDITION |

Prologue EUDITIONのはじまり

EUDITION の物語は、2016年に「辺塚だいだい」の生産者と出会ったことから始まりました。

辺塚だいだいは、鹿児島県肝付町岸良(きしら)という限界集落に古くから自生する香酸柑橘です。

少し絞ると骨太で爽やかな香りが広がる、岸良周辺地区固有の柑橘、辺塚だいだい

鹿児島空港から車を2時間半走らせ、山の中の小さなトンネルを抜けると、深く澄んだ紺碧の海と濃い緑が美しい山々の間に小さな集落が現れます。
銀行も病院もコンビニもありませんが、海では住人が「何もない」という岸良には、見たこともない豊かな自然がありました。

ジブリに出てきそうなトンネルを抜けると、美しい集落・岸良へ

辺塚だいだいと出会って気づかされたことが3つあります。

1つ目は、日本は小さな島国ですが、その地形と気候風土から植生が極めて豊かで地域によっての個性が強烈であるということ。
鹿児島に足を踏み入れた時、本州とは全く異なるその緑の濃さと力強さに驚きました。そして薩摩半島と大隅半島でも異なる世界が広がり、さらに大隅半島の端の端にある岸良まで辿り着いた時には、辺塚だいだいという見たことも聞いたこともない柑橘に出会いさらに驚きました。
食品や化粧品表示で普段目にする「〇〇県産」「国産」だけではわからない世界が広がっているのを見つけた時のワクワク。面で捉えるのではなく点に注目すると、小さなエリアがワンダーランドのようになりました。

岸良周辺の照葉樹の森。
縄文時代から続く原生林が呼吸をする森の周りは空気が澄みきっています。

2つ目は、辺塚だいだいという固有種が肝付町の「食文化の遺産」であること。
岸良の住人が、海で天然のサザエやカサゴを、山でイノシシや山菜を採って、岸良の自然の恵みでもてなしてくれたとき、お刺身や炒め物、地元の焼酎にも辺塚だいだいをたっぷり絞っていただきました。その香りと酸味が、地元の食材や調味料、お酒と相まって、岸良の食文化を創り上げています。
植生の豊かさは、地域文化の豊かさと密接な繋がりがあり、地域の個性をより強く彩っているのだと気がつきました。
地域の植生を守ることは、地域の個性、そして文化を守ることにつながります。

外海に面しているため養殖はできません。食べるのはその日に採れた天然ものばかり。

3つ目は、同じ辺塚だいだいでも、場所や生産者によって差異があること。
山の中腹か、山の上か、平地かで育つスピードも大きさも違います。誰がどのような方針で育て、どのタイミングで出荷するかで味や成分が異なります。
動物園のコアラの飼料用にユーカリを育てていた農家さん曰く、海から吹き上げる潮風が当たる山の斜面で育てたユーカリは喜んで食べても、平地の畑の中で育ったユーカリは全く食べてもらえなかったそうです。
EUDITION OILに配合される辺塚だいだい発酵オイルの原料となる辺塚だいだいを栽培する永谷博美さんの農園は、海から爽やかな潮風が吹き上げる山の上にあり、辺塚だいだいに限らず様々な柑橘の木が並んで、収穫最盛期の美しさは楽園のようです。

こだわりぬいた柑橘を育てる永谷農園さん

流通の都合や収穫率の都合ではなく、一番美味しいタイミングでの収穫にこだわっています。もちろん無農薬・無化学肥料。
その手入れの行き届いた農園内の環境や、果実に触れる手つきと視線、栽培と収穫へのこだわりから、農園への深い愛情が伝わりました。
そうして育てられる辺塚だいだいを、最も信頼できる方に加工してもらい、途中で生産者の情報が隠されたり、曲げられたりしないように大切にしながら、たくさんの人に届けたいと強く思いました。

この3つの気づきが、EUDITIONの3つのバリュー [locality, preserving, transparency] へとつながりました。
→EUDITION 3つのバリュー